第10052号 2019年12月17日
大曲中通病院
相手の意思と感情を考慮したケアを
大曲中通病院の地域連携研修会が、11月22日午後6時から大曲エンパイヤホテルで行われました。
今回は仙北地区のケアマネージャーの集まりである「ケアマネージャー会」との合同研修として開催し、地域の36施設の方と職員合わせて約100人が参加しました。講師は大曲中通病院の藤田麻依子科長(外科)と、認知症看護認定看護師の髙橋早奈恵看護師長(外来)が務めました。
藤田科長はACP(アドバンス・ケア・プランニング)について講演しました。ACPは「人生の最終段階において、本人の意向と最善利益を尊重した医療・ケアを実践すること」と話し、基本的な進め方を説明する中で「医療者の価値観を押しつけていないか」といった気を付けるべきポイントを挙げ、「その人の今後の生活や人生において大切なものは何かを考えることが重要」と述べました。
一方、髙橋看護師長は認知症ケアの技法であるユマニチュードについて講演。ユマニチュードは、相手に「あなたのことを大切に思っている」と伝える技術であり、優しく触れる、目を見つめるなど、大切な人に対して無意識に行っていることを、ケアの際に意識的に行うものと説明しました。また、ユマニチュードの四つの柱である「見る」「話す」「触れる」「立つ」の具体的な技術を紹介したほか、認知症の方をケアする上で、本人がどのような生活・人生を送ってきたのかを知ることが、行動や心理を考えるためのヒントになると話しました。
講演の後には交流会が行われ、参加者は情報を共有し、相互理解を深めていました。
参加者からは「相手本意で考えて行動、声掛けすることが必要だと学んだ」「ユマニチュードをすぐにでもケアの場面に生かしていきたい」といった感想が聞かれました。