第10271号 2022年02月15日
中通総合病院
患者さんの意思を尊重した医療を ─ACPについて学ぶ─
中通総合病院で2月2日、全職員を対象にした医療安全セミナーが開かれました。
当日は感染対策のため参加人数を少なくし、後日、動画を視聴できるようにしました。
テーマは『アドバンス・ケア・プランニング(ACP)と終末期医療』。伊藤医院(由利本荘市)の院長で、秋田県医師会副会長の伊藤伸一先生が講演しました。
ACPは、今後の治療・療養について患者さん、家族、医療従事者、そして、ケアにかかわる人々があらかじめ話し合う自発的なプロセスのことで「人生会議」とも呼ばれています。伊藤先生は「ACPで大切なのは『結果』ではなく『過程』。患者さんは一度決めても揺れ動き、気持ちが変わる。その度に共に考え悩み、対話を繰り返し、その人の価値観、意向を周囲の人や医療者が共に理解していくことが大切」と述べました。また、在宅での緩和ケアの実践例を紹介。「死を見届けるのではなく、最後の最期まで、生き抜く『生』を支えるのが私たちのミッションである」と話しました。
会場からは「日ごろから、患者さんがどのように生きたいのか、何を大切にしているのかを理解することが求められているとあらためて感じた。人によって価値観は異なる。自分たちも患者さんから学ぶことを大切にしていきたい」「患者さんや家族とかかわり経験する中で、自分が人として成長していることを感じる。今後も医療人として、人として、患者さんに成長させてもらうという姿勢を持ちながらかかわっていきたい」という感想が聞かれました。