研修の特色
POC 毎週木曜日
研修医の受け持ち患者数は8人から10人位で1ヶ月間の退院数は10人から13人程度である。
宿直回数は月に3回を原則としており、研修医が宿直にあたる場合、副宿直医をはじめ院内に2名のオーベンが宿直している。技術研修は豊富な症例に恵まれているため、本人の意欲さえあれば、かなりのレベルまで到達できる。
例えば、研修医が実際に消化器内科4ヶ月間の研修中に術者として経験した上部消化管内視鏡検査件数は、K・S医師244件、K・I医師221件、Y・K医師259件であった。
プライマリ・ケア・セミナー
各科に配属された時期から、週1回の割合でプライマリ・ケアセミナーを下記のようなプログラムで行っている。これは全ての医師も対象にしており、生涯教育の一貫にもなっている。
◇2020年度プライマリ・ケアセミナー日程表◇2020年度.pdf
- 急性腹症
- 心肺蘇生法とモニタリング
- 夜間外来における小児の診かた
- 急性心筋梗塞の対応
- 不整脈の初期治療
- 眼科疾患の救急
- 外来の小外科
- 精神科救急疾患への対応
- 気管支喘息について
- 意識障害と脳血管障害の診かたと初療
- 頭部外傷患者がきたら
- 輸血療法についての基本的考え方
- 電解質と体液バランス
- 脊椎、四肢外傷の診かた
- 救急でみる皮疹
夜間・当直研修
中通総合病院は救急告示病院であり、日中、祝日、夜間の救急車搬入件数も極めて多く(3,200件/年)、プライマリ・ケアを学ぶよい機会であり、研修の大きな柱に位置づけられている。2年間は指導医と2人体制で組んでいる。
総合内科外来研修
初期研修医は内科系研修をおおむね履修した(あるいは配属中)1月から総合内科外来(主として新患)を月2回(ないし1回)担当する。内科系以外のローテート科配属下であっても研修上、スケジュール化されることがあるので医局スケジュール表で確認する。場所は総合内科外来の初診用診察室を使用する。あらかじめ担当看護師が予診表でチェックし、専門診療科外来がふさわしい新患については診察の担当はしない。
医療活動
初期研修中は病棟での研修が中心となり、全身を診ないで「病気(臓器)だけを診る傾向」や「技術・知識偏重」や「医師中心主義」に陥りやすい。そのために、全身を全人的に捉える習慣が大事である。
また、この期間に「患者を労働と生活の場で捉える視点」「予防からリハビリ・社会復帰まで一貫した、継続した医療の追及」「他職種との民主的な協力関係のもとで行われる集団医療のリーダー的役割を担う能力」を身につけることは、医師として総合性を養う上で大切である。
退院時総括書
主治医となった症例は、必ず退院後1週間以内に所定の用紙に記入し、指導医の点検を受ける。
剖検
患者が不幸にして亡くなった場合、常勤病理医がいるので、剖検を行うよう努力する。そして、臨床病理検討会(CPC : Clinicopathological Conference)で発表する。
中通総合病院医報への投稿よび学会発表
貴重な症例をまとめる能力を身につけることは、研修内容を充実させるためにも大切である。少なくとも年1篇を「医報」に掲載する。また、地方会や研究会に発表する。