2010.11.18(第34号)
中通総合病院 臨床研修部
★訪問先で研修医は・・・
中通病院研修医による中通リハビリテーション病院の訪問診療が、この5月から2年目に入り、こちらも新たな気持ちで新人を迎えました。
昨年度の最後にやってきたI医師の体験を紹介します。
I医師が担当した患者さんを2回目に訪問したとき、病状が悪化していました。すでに前の日にデイケア先で治療を受けており、そこからの診療情報を踏まえて、病歴を聴き取り、入念に診察して所見をとり、どんな病気が考えられるかを検討し、在宅でできる検査項目(血液検査と尿検査のみ)を決めました。採血して検体を持ち帰り、中通病院に至急検査を依頼、30分ほどで結果が出ました。それを基にある程度の診断をして、中通病院に紹介。入院後は主治医となって治療にあたり、1ヶ月ほどで治癒退院し、再び訪問診療に行きました。
同じ医師が継続して診たことで、ご家族も安心し、大変喜ばれました。
それまで院内での診療経験しかなかったI医師にとって、すぐに色々な検査ができない状況で、問診と診察という医療の基本を頼りに、紹介まで持っていく過程を経験したことは貴重だったようです。
ここからはおまけです。
昨年の秋、我が家で釜炊きパーティを開きました。庭に簡単な竈を作り、つば釜を使って薪であきたこまちを炊いて食べようというものです。中通病院と夫が勤める秋田赤十字病院の研修医に声をかけ、一皿持ち寄ってもらいました。おつまみを作ってきた人、北海道のワインを持ってきた人、あきたこまちのおにぎりに入れる納豆、たらこやぼだっこを持ってきた人など、さまざまでした。
釜炊きは、ほとんどが初めての体験で、子供が火遊びを楽しむように、喜んでいました。炊き方が下手で、真っ黒な焦げがついたものの、何のその、持ち寄った具を巻いて、手巻きすしが飛ぶように売れました。
秋田の旨いものを食べて、秋田の魅力を知り、秋田を愛する研修医が一人でも増えてほしいと願っています。やがて秋田の医療に貢献してくれれば、なお嬉しいことです。
翌日の田沢湖マラソンには全員が遅刻することなく参加し、完走したと聞きました。忙しい中、パーティに来てくれた研修医のみなさん、ありがとうございました。
リハビリテーション病院での訪問診療研修が、リハビリと訪問診療に興味を持つきっかけとなれば嬉しいです。やがて何科に進むにしても、超高齢社会の日本の医療では、この二つの領域の知識と技術が欠かせないと思います。
では、研修医のみなさん、健康で活躍されることを祈っています!(おわり)