地域医療の研修目標
1.中通リハビリテーション病院
1)一般目標
運動機能障害、高次脳機能障害を有する患者および慢性疾患患者、高齢患者などの管理上の要点 を知り、リハビリテーションと在宅医療、社会復帰の計画立案ができる。
2)具体的獲得目標
- リハビリテーションの理念を理解する。
- セラピストや病棟スタッフと協力し、チーム医療を推進できる。
- リハビリテーションの適応や早期リハビリテーションの重要性を認識し、予後を予測して具体的な指示を出すことができる。
- 廃用症候群の発生機構と、その予防・治療法を理解する。
- 褥瘡の発生要因を理解し、その初期治療ができる。
- リハビリテーション的評価法を理解する。
- 関節可動域テスト
- 徒手筋力テスト
- 片麻痺機能テスト
- ADL評価法(FIMなど)
- 高次脳機能障害の評価
- 嚥下機能評価
- リハビリテーションの基本技術を理解する。
- 正しい姿勢と体位変換
- 関節可動域訓練
- 起居移動動作訓練
- 歩行分析と装具の処方
- 障害の受容過程を理解する。
- 障害に対する心理的適応への援助ができる。
- 保健、福祉制度を理解し、社会復帰(家庭復帰)に向けて計画を立てることができる。
方略
① リハビリテーションの重要性を理解する。
リハビリテーションの適応や早期リハビリテーションの重要性を認識し、 診断・評価、リハビリテーション処方、再評価など具体的な指示が出せる ようにすること。 回復期・維持期に渡り、多様な障害を有する患者に対して医学的リハビリおよび在宅医療・社会復帰の計画立案が出来るようになるため、リハビリ 医学について知識および診療技術を習得すること。
② 在宅医療の実際を知る。
当院では、通院困難な患者を訪問診療で管理している。様々な医学的社会的問題が持ち上がってくるが、個々の例に応じた解決策を模索すること。
③ 週間スケジュールは「初期臨床研修に関する規程」を参照
評価
① 研修医の評価:終了時に評価票に従って自己評価と指導医による評価(3段階)、コメディカルによる評価(5段階)を行なう。また、EPOC(オンライン臨床研修評価システム)に自己評価と指導医評価を入力する。
② 指導医評価:研修医による評価(3段階)を行なう。
③ 研修プログラムの評価:研修医や指導医の意見を聞き、研修プログラムの検討を行なう。
2.大曲中通病院
1)内科
- 専門にとらわれず、総合的内科医としての研修を行う。
- 慢性疾患の患者管理、指導を正しく行うことができる。
- 在宅医療、検診活動に積極的に参加し、地域医療、地域保健活動の趣旨を十分理解する。
- 入院患者の病状により、専門外来指導医、他院との連携を正しくとることができる。
2)外科
- 外科的疾患(外傷、急性腹症など)の初期治療ができる。
- 主に消化器外科を中心とした腹部手術の手技を会得する。
- 全身麻酔を含めた周術期管理ができる。
- 悪性疾患患者のターミナルケアに積極的にかかわる。
方略
① 限られた設備のなかでの診療能力を身につける。
小規模病院の設備や人材には必然的に限界が存在する。しばしば他院への紹介も必要となる。しかし諸般の事情から、必ずしも医師の思惑通りにはならな い。制約された条件下でも適切な診療ができるように、その能力を磨くこと。
夜間や休日に技師は勤務していない。頭部CT、単純レントゲン写真、動脈血ガス分析は医師が行う。更に検尿(試験紙法)と心電図検査も自分でできる。血液生化学検査が必要な時には拘束技師を呼び出すことになるが、検査開始までに30分以上を要する場合もあり検査適応を吟味すること。
② 救急搬送を経験する。
緊急心臓カテーテル検査・治療は当院では行えない。平鹿総合病院や大曲厚生医療センタ‐などに搬送する必要がある。同様にくも膜下出血や手術適応のある脳出血、血栓溶解療法の適応のある脳梗塞なども大曲厚生医療センターなどに搬送しないといけない。
搬送の適応を決めることや、搬送先の医師とのやりとりを経験すること、搬送中に起こりうる様々な病態の変化に対応できる能力を身につけることは重要である。判断に迷ったらただちに指導医に相談すること。
③ 在宅医療の実際を知る。
当院では、通院困難な患者を訪問診療で管理している。様々な医学的社会的問題が持ち上がってくるが、個々の例に応じた解決策を模索すること。
④ 地域住民と対話する。
大曲中通病院友の会の定例会で健康講話の時間を設けている。テーマは与えられることもあるし、自由に選んでもらうこともある。講演を行った上で交流する。
⑤ 週間スケジュールは「初期臨床研修に関する規程」を参照
評価
② 指導医評価:研修医による評価(3段階)を行なう。
③ 研修プログラムの評価:研修医や指導医の意見を聞き、研修プログラムの検討を行なう。
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