循環器内科の研修目標
- 代表的な循環器疾患の病歴、身体所見を正しくとることができる。
- 代表的な循環器疾患の病態生理を正しく理解できる。
- 循環器に関する基本的検査を施行し、評価が正しくできる。
- 心電図
- マスター2段階負荷心電図
- トレッドミル運動負荷心電図
- 心エコー
- 24時間心電図
- 心臓カテーテル検査、心臓核医学検査法の結果を正しく解釈できる。
- 心不全の診断と治療を経験する。
- 狭心症、心筋梗塞の診断と治療を経験する。
- 心筋症の診断と治療を経験する。
- 不整脈(主な頻脈性、徐脈性不整脈)の診断を行い、治療を経験する。
- 弁膜症(僧帽弁膜症、大動脈弁膜症)の診断ができ、治療を経験する。
- 動脈疾患(動脈硬化症、大動脈瘤)の診断と治療を経験する。
- 静脈・リンパ管疾患(深部静脈血栓症、下肢静脈瘤、リンパ浮腫)の診断と治療を経験する。
- 高血圧症(本態性、二次性高血圧)の診断と治療を経験する。
- 循環器疾患の基本的治療薬を正しく理解し、使用できる。また服薬の正しい指導ができる。
方略
◆病棟部門
① ローテート開始時には、指導医・病棟看護師長と面談し、自己紹介、研修目標の設定を行う。ローテート終了時には、評価票の記載とともにフィードバックを受ける。
② 担当医として入院患者を受け持ち、主治医(指導医・上級医)の指導のもと、問診・理学的所見・検査データの把握を行い、治療計画立案に参加する。担当患者数は3~5人程度が望ましい。
③ 毎日、担当患者の回診を行い、カルテに記載し、主治医と治療方針を相談する。
④ インフォームド・コンセントICの実際を学び、担当患者は全例、それ以外にも傍聴可能であればなるべく多くのICの場に参加する。
⑤ 診療情報提供書を自ら記載する(但し、主治医との連名が必要)。
⑥ 主治医の指導のもと、担当患者の心電図・心エコー・胸部X線写真などの画像を読影評価し、カルテに記載する。
⑦ ローテート中に胸痛・動悸・呼吸困難・浮腫・失神のレポートを作成する。
⑧ ローテート中に心不全3例以上、急性心筋梗塞2例以上、腎不全1例以上、末梢血管疾患1例以上、徐脈性不整脈1例以上を担当し、サマリを作成する。
⑨ 担当患者が死亡した際に、死亡確認(死の3徴)を指導医とともに行い、死亡診断書を作成する。
◆外来部門
① 患者急変時に、上級医の指導のもとに、心肺蘇生・除細動(電気的・薬物的)等の救急処置に参加する。
② 外来にて、上級医の指導のもとに、発作性上室頻拍・発作性心房細動患者の治療に参加する。
◆症例検討会など
① 循環器内科他多職種カンファレンス(月曜日 14:00)、心臓血管外科との合同カンファレンス(木曜日 16:30)、心電図検討会(火曜日 8:30)、心エコー検討会(月曜日 16:30)に参加し、担当患者の症例提示を行い議論に参加する。
② 救急症例カンファレンス(毎朝 8:00)に参加し、救急外来・当直帯で経験する循環器疾患・内科救急疾患についての理解を深める。
◆検査部門
① 心臓血管撮影室
・心臓カテーテル検査の助手・外回りなどの補助業務を行いつつ、カテーテル検査の意義・結果・その後の方針について上級医から指導を受ける。
・カテーテル検査中の心電図モニター・圧モニターを監視し、緊急事態の対応につき上級医より指導を受ける。異常所見を発見したら、自ら声に出して共有し、カテ室でのチーム医療に参加する。
・自ら血管の穿刺を行い、また、右心カテーテルを操作することにより、スワン-ガンツカテーテル・中心静脈カテーテル挿入の手技を獲得する。中心静脈穿刺5例以上。
◆学会・研究会等の参加
ローテート期間中でなくても、2年の間に必ず1例以上の院外での症例報告を行う。指導医とともに文献検索、スライド作成、発表を行う。
◆週間スケジュール
「初期臨床研修に関する規程」を参照
評価
① 研修医の評価:終了時に評価票に従って自己評価と指導医による評価(3段階)、メディカルスタッフによる評価(5段階)を行う。また、EPOC(オンライン臨床研修評価システム)に自己評価と指導医評価を入力する。
② 指導医評価:研修医による評価(3段階)を行う。
③ 研修プログラムの評価:研修医や指導医の意見を聞き、研修プログラムの検討を行う。
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