消化器内科の研修目標
- 代表的な消化器疾患の病歴、身体所見を正しくとることができる。
- 食道・胃・十二指腸疾患(食道静脈瘤、胃癌、消化性潰瘍、胃・十二指腸炎)の診断と治療を経験する。
- 小腸・大腸疾患(イレウス、急性虫垂炎、炎症性大腸疾患)の診断と治療を経験する。
- 胆嚢・胆管疾患(胆石、胆嚢炎、胆管炎)の診断と治療を経験する。
- 肝疾患(ウイルス性肝炎、急性・慢性肝炎、肝硬変、肝癌、アルコール性肝障害、薬物性肝障害)の診断と治療を経験する。
- 膵臓疾患(急性・慢性膵炎)の診断と治療を経験する。
- 横隔膜・腹壁・腹膜(腹膜炎、急性腹症、ヘルニア)の診断と治療を経験する。
- 消化器疾患の基本的診断法を理解し、実施できる。
- 腹部単純X線写真
- 腹部超音波検査
- 上部消化管内視鏡検査
- 胃、十二指腸造影検査
- 大腸造影検査
- 消化器救急疾患の診断と初期治療が正しくできる。
- 消化管出血
- 急性腹症
- 急性肝炎
- 急性膵炎
- 消化器疾患の手術適応を理解し、判断できる。
- 消化器疾患に対する内視鏡治療、Interventionを理解する。
- 消化器疾患の検査、治療について、その方法と合併症を正しく理解し、患者に十分説明することができる。
- 消化器悪性疾患の終末期医療を実施できる。
方略
病棟で週に1 人から2 人の新入院患者を指導医とともに担当する(合計5人程度)。レポート作成に必要な疾患を担当できるように指導医が配慮する。
① 担当患者に関する病歴・身体所見・検査所見・過去の資料の要旨に関する情報収集を行い、プロブレムリストを作成し、各項目の検討・評価を行う。
② 担当患者に関する「入院診療計画書」を指導医とともに作成し、患者とその家族にわかりやすく説明する。消化器疾患診療におけるクリニカルパスについてもその意義を理解し実際に運用する。
③ 担当患者の検査、他科診察、治療に同行し、患者の心理状態等についても理解するよう努める。
④ 病棟での入院患者カンファレンスで担当患者に関する症例の呈示を行う。適切な医学用語を用いて症例の呈示を行い、必要に応じて積極的に指導医あるいは消化器外科医師、コメディカルスタッフ等にも助言を求める姿勢を身につける。
⑤ 担当患者の退院時にはすみやかにサマリーを作成し、指導医のチェックを受ける。
⑥ 消化器検査の合併症とその治療法を熟知した上で、消化器科で実施される各種検査にチームの一員として参加し、基本手技を指導医のもとで実施、もしくは助手を行う。
⑦ 緊急内視鏡検査など腹部救急疾患の初期治療に参加し、緊急検査・治療の適応を適切に判断する能力を培う。
⑧ 病院の内外で実施される消化器関連の講演会や勉強会にも積極的に参加して最新の知見を得た上で、実際の臨床診療に役立てるよう努力する。
⑨ 週間スケジュールは「初期臨床研修に関する規程」を参照
評価
① 研修医の評価:終了時に評価票に従って自己評価と指導医による評価(3段階)、メディカルスタッフによる評価(5段階)を行う。また、EPOC(オンライン臨床研修評価システム)に自己評価と指導医評価を入力する。
② 指導医評価:研修医による評価(3段階)を行う。
③ 研修プログラムの評価:研修医や指導医の意見を聞き、研修プログラムの検討を行う。
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